ここでは、建物をご新築されたケースなどを中心にどのような登記が必要になるか、また登記申請の流れをご案内します。
下の画像のように、登記簿は【表題部】・【甲区】・【乙区】の3部構成になっています。
※画像はコンピューター式のものであり、実物とは若干異なる箇所があります。【表題部】の登記を担当するのが、「土地家屋調査士」です。
【甲区】・【乙区】の登記を担当するのは、「司法書士」です。
【表題部】の登記は「土地家屋調査士」が、【甲区】・【乙区】の登記は「司法書士」がそれぞれ本人の代理人として行うことに法律上規定されており、これ以外の者が手続を業務として行うことは、司法書士法もしくは土地家屋調査士法により禁じられています。
当事務所には土地家屋調査士がおりませんが、業務提携しておりますので、「表示の登記」手続のご依頼、ご相談またはご質問もお待ちしております。
表示の登記につきましては、現地の測量・調査のため、土地家屋調査士よりお客様にご連絡し、打合せの上、現地にお伺いすることがございます。
以下の項目に該当される方は、登記申請が必要になります。
⇒表示登記
⇒滅失登記
⇒地目変更登記
⇒地積・床面積の更正登記
⇒分筆登記
⇒合筆登記
⇒表示変更登記
⇒分割登記または表示変更登記
⇒合体登記
⇒表示変更登記
⇒敷地権の登記
以上、1~11に該当されるお客様は、登記簿の表題部(下図参照)に登記、もしくは変更する必要があります。
以上、12~13に該当されるお客様は、登記簿の甲区(下図参照)に登記する必要があります。
以上の登記手続を放置すると、過料の対象となるだけではなく、後日その不動産を売却したり、その不動産に担保を設定する場合など、その登記の前提としてこれらの登記を要する場合があり、登記手続が大幅に遅れたり、登記手続に必要な書類が揃えられなくなることもありますのでご注意ください。
現在、金融機関等でお借り入れをされるにあたり、不動産を担保提供されているお客様は、
上記1~13のほか、
「債務者の住所・氏名または本店・商号を変更する」
…など、登記内容に変更が生じる場合は、予め金融機関に通知をしなければなりません。
~表示の登記と権利の登記が複合する場合~
そのため、表示の登記申請中に権利の登記は申請できません。
A.建物滅失(取毀)登記 に関する必要書類
所有者が複数存在する場合は、全員の書類を要します。
担保設定済の建物の場合は、予めその「抹消登記」(所有者の委任状・担保権者の委任状および3か月以内の資格証明書・担保設定登記済証要)を申請してから「滅失登記」を申請するか、「滅失登記」に担保権者の印鑑証明書・資格証明書(いずれも3か月以内のもの)・承諾書を添付する必要があります。
所有者の住所・氏名または本店・商号が登記簿(不動産登記簿の甲区)記載のものと異なる場合、もしくは所有者が死亡している場合(法人が吸収合併されている場合)は、別途、戸籍謄本・住民票(本籍・筆頭者の記載要)・閉鎖法人登記簿謄本などの書類を要します。
取毀業者の書類が揃わない場合でも登記手続は可能ですが、登記官による現地調査が必要になり、法務局の予定次第で、手続が遅くなることもあります。
B.建物表示(新築)登記 に関する必要書類
新築の際の登記は、「表示登記」と「所有権保存登記」の2段階になります。前述のPOINTでもご案内しましたが、「表示登記」と「所有権保存登記」を同時並行で進めることはできません。
所有者が複数存在する場合は、全員の書類を要します。
B.1 表示登記の必要書類(登記簿の表題部に関する登記)
表示登記につきましては、土地家屋調査士が予めお客様と打合せの上、現地を調査(測量)し、建物図面を作成の上、所有者の捺印(実印)を頂きます。
表示登記と所有権保存登記を併せてする場合、住民票は表示登記用と所有権保存登記用の計2通を要します。
工事請負契約書・建築確認通知書に記載された建築主の住所・氏名または本店・商号が変更している場合もしくは所有者が死亡している(法人が吸収合併されている)場合は、別途、戸籍謄本・住民票(本籍・筆頭者の記載要)・閉鎖法人登記簿謄本などの書類を要します。
建物が区分建物(階層ごと、または、部屋ごとに区分して登記する建物のことで、マンションなどがこれに該当します)である場合などには、別途、書類を要する場合がありますので、担当の土地家屋調査士の方にお問い合わせください。
施工業者の書類・工事代金の領収書などが揃わない場合でも登記手続は可能ですが、登記官による現地調査を要し、法務局の予定次第で手続が遅くなることもあり、また、所有者の実印を捺した上申書および3か月以内の印鑑証明書が必要になることもあります。
増改築による表示変更登記に関する必要書類も、表示登記に関する必要書類とほとんど同じです。
B.2 所有権保存登記の必要書類(登記簿の甲区に関する登記)
建物表示登記の後に、所有者の住所・氏名または本店・商号が変更している場合もしくは所有者が死亡した(法人が吸収合併されている)場合は、別途、戸籍謄本・住民票(本籍・筆頭者の記載要)・閉鎖法人登記簿謄本などの書類を要する場合があります。
建物が敷地権付マンション(不動産登記簿上、マンションの底地の利用権が建物と一体化して証明されるマンション)である場合は、別途施工業者の承諾書などの書類を要します。
所有権保存登記については、表示の登記と異なり、所有者に登記申請の義務はなく、罰則もありませんが、登記手続をせずに放置すると、第三者に対抗することも、担保設定登記をすることもできず、また税金の軽減を受けられる建物の場合、新築または購入後1年以内に登記手続をしないと、軽減の適用は受けられなくなりますのでご注意ください。
なお、詳しいことにつきましてご不明な点等がございましたら
こちらからお問い合わせください